障がいを持つお子さんがいらっしゃる親御さんがそうであるように、私も自分の息子に障がいがあると分かった時、色々なことを考えました。そして、その中の1つに息子の将来のことがありました。ファイナンシャルプランナーとして、ライフプランのご相談をうける場合、一般的に子ども教育費は、子どもが大学を卒業するまでとなり、大学卒業後は就職して自立することを前提とします。つまり、それ以降はその家庭において子どもの教育費と生活費を除いて家計をシミュレーションするということです。

 

 しかし、息子が発達障がいだと診断されたときに、私は職業柄、「息子は将来、働いて自立することができないかもしれない。ということは、自分が死ぬまで養わなければならないかもしれない。しかも、自分が死んだ後も息子が生活できるように、お金をたくさん残さなければならない。」ということを直感的に思いました。もちろん、発達障がいについてたくさん勉強した今では、発達障がいの方でも立派に働き自立をして結婚もされている方もたくさんいらっしゃることは知っております。しかし、その当時は「障がい=働けない」という固定概念を持っていました(やはり、無知ということは恐ろしいですね)。

 

 そして、これも誤解なのですが、「息子は自閉症なのでどこかに預けるのは難しいだろう。ということは、日中は妻が面倒をみなくてはいけないから妻が働きに出ることは難しい。」ということも考えました。つまり、将来の共働き(ダブルインカム)も想定できないということです。それはつまり、「結局、自分がたくさん稼がなくてはいけない!」という結論に至ったということです。

 

自分が稼がなければいけない

 

 おそらく、発達障がいの子を持つ親御さんの中には、同じことを考えたことがある、もしくは実際に考えている、という親御さんも多いのではないでしょうか?

 

 ここで何を申し上げたいかというと、「親である自分がたくさん稼がなくてはいけない!」ということは、親御さん自身が、主なライフイベントに必要な最低限のお金の知識を持つことが必要になるということです。私は職業柄、お金の知識が無いために損している人をたくさんみてきました。無知をいいことに、まったく目的にあっていない金融商品を購入している、全く必要のない生命保険に加入している。その結果、自分の保有している金融商品の仕組みが分からない、自分の加入している保険の保障内容も分からないし、無駄な保険料を払い続けている。そのような事例をたくさんみてきました。

 

 発達障がいの子を持つ親御さんでなくても、一般の人でも最低限のお金の知識が必要な時代です。しかし、その中でも特に・・・これは個人的な想いになってしまいますが、自分と同じように発達障がいを持つ親御さんには、「お金の知識がない」というだけの理由で損をしてほしくないのです。

 

 正直、障がいを持つ子が生まれると辛いことをたくさん経験します。そして、事実としてお金もかかることがたくさんあります。例えば、聴覚過敏の発達障がいの子は、電車に乗ることが困難な場合があります。そうなると必然的に移動は車を利用することが多くなってしまいます。それは家計的にみれば車の維持管理費やタクシー代等が発生してしまうことを意味しています。そのような状況下で、「お金の知識がない」ために損している場合ではありません。

 

 そこで、今月からは、発達障がい児を持つ親御さんが、最低限知っておいていただきたいお金の知識をお伝えしたいと思います。

 

 

【第3回】自分の「死」に備える ~自分の「想い」を伝える~
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2013年04月11日(木)

FP社会保険労務士事務所 柔コンサルティング

所長 平野 厚雄