前回は、廣瀬選手にQ&Aをお願いいたしましたが、今回は、その中からいくつかの回答をピックアップしてみます。

 

 

【Q.01】現在の収入源をすべてあげてください(例:アルバイト代、ファイトマネー、指導料等)
 ・派遣社員給料
 ・ファイトマネー(収入割合【派遣社員給料9:ファイトマネー1】)
 

 

【Q.02】Q1の中で、現在の生活のメインとなる収入はどれですか?
 ・派遣社員給料

 

  ファイナンシャルプランを考える上で、「収入の安定」はとても大切な要素となりますが、廣瀬選手の場合、まず収入の不安定さが気になります。派遣社員という形態で就労しているとのことですが、派遣という就労形態は(常用型・登録型により詳細は異なりますが)、以前、「派遣切り」という言葉が世間を賑わしたように、不況になるとまず雇用調整の対象となってしまうのが現実です。なお、本業であるプロ格闘家としての収入「ファイトマネー」については、年収割合では1割程度とのことですので、こちらも安定的な収入とは言い難いです。しかし、これが世の中の「プロ格闘家」と呼ばれている人の現実です。格闘技一本で生計をたてられている人は、一握りの人間です。ほとんどのプロ格闘家達が、ファイトマネーだけでは生活できないので、アルバイト等をしながら格闘技を続けているのです。

 

 

 そして、さらにプロ格闘家には共通な問題があります。それは「練習時間の確保」という問題です。プロ格闘家である以上は、試合に向けて練習しなくてはなりません。そこで、練習時間確保には仕事との調整が必要になってしまいます。廣瀬選手の場合、やはり練習時間を確保したい…ということで、残業時間が少ない派遣社員という就労形態を選択しているようです。ここで廣瀬選手の中では、「仕事」よりも「練習時間の確保」の方が優先度が高いということが垣間見えます。選手としていっぱい練習したい、しかし、仕事もしなくては食べていけない…この点が、プロ格闘家特有の悩ましい点です。

 

 総合格闘家・廣瀬勲選手 練習風景1

  そのよう制約がある中で、廣瀬選手はまず何ができるのか?…そこで、提案ですが、収入源を増やすということ、および練習時間の確保という両面から、格闘技の指導者となり指導料を稼ぐ、という方法をお勧めします。道場に練習に行って、それに合わせて指導できれば、練習時間を大幅に削ることなく済み、時間を有効活用できるはずです。ちなみに、その案を廣瀬選手に提案したとこころ、「指導なんで無理です・・・」という回答でした。とても残念な回答なのですが、無理といっている限り、永遠に無理です。廣瀬選手には、今後のためにもその考えを変えていただきたいと思います。その指導者になる一番の勉強方法は、ずばり!指導者になってしまうことです。廣瀬選手は、プロとしての実力も実績あり、努力すれば指導者にもなれるはずです。

 

 

 

 

【Q.06】現時点で、「お金」について不安に思うことは何ですか?(「お金」以外で良いので、不安に思うことをあげてください)
 ・貯蓄ができる状況ではない。

 

 貯蓄が出来ていない状況については、なるべく早急に改善する必要があります。これは「プロ格闘家」だからということではなく、すべての人に当てはまることですが、家計が継続的に貯蓄ができるようになるには、ずばり「仕組」を作ってしまうことです。それは、【収入 - 消費 = 貯蓄】ではなく、【収入 - 貯蓄 = 消費】という仕組です。例えば、毎月の5万円の積み立てを計画した場合、1ヶ月が終わった時に余っているお金を積み立てよう!ということではなく、給料日にその5万円を積み立ててしまい、残ったお金でやり繰りするという仕組みです。

 

 

 そして、貯蓄をするためには、その原資となる「お金」が必要です。現在の収入が増えれば、その原資は容易に確保できますが、給与が増えにくい現在では厳しいのが現実です。そんな中では、現状の家計から貯蓄のための原資を確保しなければなりません。そこで、行っていただきたいことが、家計の無駄を把握するための毎月の家計の把握です。そして、その家計の把握には、「家計簿」が代表的ですが、それでは手間がかかりすぎる…という場合は、別の方法があります。

 

 

  まず新しいノートを購入し、「食費」「趣味娯楽費」「通信料」等、大雑把で構わないのでページ毎に品目分けを行い、日々購入した品物や飲食等のレシートを、その品目毎のページにペタペタと張り付けていきます。そして、1ヵ月終了時にそのレシートを見返してみます。この作業で、1ヶ月で何にいくら使っているのか?、また、ムダ使いがいくらあるのか?ということを把握できるので、積立の原資が捻出できると思います。

 以上、廣瀬選手の収入面の分析をしてみると、

 

 

①本業・プロ格闘家としての収入「ファイトマネー」が少ないこと。
②主となる収入源が「派遣」という不安定な雇用形態からであること。
③プロ格闘家としての練習時間を確保したいために、仕事に対する制約があるということ。

 

 

 という問題点があります。したがって、廣瀬選手にまず実行に移していただきたいことは、練習時間をなるべく減らさずに、格闘技に直接関係のある仕事で収入源を増やすという点から、指導料を稼ぐということ。及び、現在の収入の中で、少額でもかまわないので貯蓄できる仕組みを作り、実際に貯蓄を始めることです。 「貯蓄(現金)」は、人生のいつどんな時でも強い味方になってくれます!

 

 

 

 

2011年12月16日(金)
FP社会保険労務士事務所 柔コンサルティング
代表 平野 厚雄