前回は廣瀬選手の収入面を取り上げましたが、今回はライフプランについてです。

 

 

【Q.05】現時点で、具体的な将来(引退後を含む)のライフプランはありますか?
・特にありません・・・

 

 ライフプランとは「人生の設計図」ということですが、廣瀬選手は、現状このライフプランが特に無いということです。敢えて言わせていただくと、今回のインタビュー結果において、このライフプランが廣瀬選手にとって一番の重要ポイントだと思います。

 

 

 プロ格闘家に限らず、プロ野球選手、プロサッカー選手等、プロスポーツ選手に共通の問題、それは「引退後のセカンドライフをどうするの?」ということです。スポーツの種類や選手個人の事情により引退年齢は違いますが、平均引退年齢をみるとプロ野球選手は29歳、Jリーグ選手は26歳ということになっています。残念ながらプロ総合格闘家の平均引退年齢の統計はありませんでした(あるかもしれませんが、調べきれませんでした)。

 

 

  例えば、廣瀬選手が30歳で現役を引退した場合、平均余命は50.41年です(平成22年簡易生命表(厚生労働省)30歳男性より)。つまり、現在30歳の男性は、今後平均で80.41歳まで生きるということで、残り50.41年という余命があるのです。ここで認識しなくてはいけないことは、ほとんどのプロスポーツ選手において、引退後の人生の方が長いという現実があるということです。

 

 

  ライフプランを作ればすべて解決!ということではありません。ライフプランを作ったところで、10年、20年先のことはどうなるか誰にも分かりません。それどころか今の時代、1年後ですらどうなっているか分からない…ということが現実です。しかし、そんな状況でも、「ライフプランを作る」ということには意味があります。

 

 

廣瀬勲選手・練習風景2
 ライフプランを作るということは、自分の人生の設計図を作るということですから、まず、一番最初に考えなくてはいけないことは、FPの教科書でいう「ライフデザイン(生き方・価値観)」を明確にするということです。例えば、価値観の例では、

 

 

  ・結婚に何の魅力も感じないので一生独身
  ・家庭よりも仕事が大事
  ・あたたかい家庭を作りたい
  ・仕事よりも趣味が大事             etc

 

 

 上記のように、ひとそれぞれ、生きていく上でのライフデザインという生き方・価値観があるはずです。ライフプランを考える上で、この価値観・生き方を考えるというこがとても大切になるのです。したがって、将来が不透明でもライフプランを考えることに意味はあるのです。そして、そのライフデザインがあり、その上でライフプランがあるということです。例えば、住宅を考える場合、「家庭よりも仕事が大事」という価値観の持ち主の人であれば、駅から近い通勤の利便性重視の住宅になるでしょうし、「あたたかい家庭を作りたい」という価値観の持ち主の人であれば、駅から離れていても庭付き一戸建て住宅の方が良いでしょう。そして、それから、何年後に家を購入するのか?予算はいくらか?という、具体的なライフプランになっていくのです。

 

 

 誤解していただきたくないのですが、ライフデザイン(生き方・価値観)は、どれが正解というわけではありません。これは、生き方・価値観の問題ですので正解はありません。ここで、述べたかったのはライフデザイン(生き方・価値観)があってはじめてライフプラン(人生の設計図)があるということです。したがって、廣瀬選手には、ライフプランを考える前に、「俺って今後、どうやって生きていきたいのだろう?」というライフデザイン(生き方・価値観)について、まずしっかりと考えてみることをお勧めいたします。

 

 

 現役の選手に向かって、「引退後の生活考えてますか?」という質問をすることは、難しいのかもしれませんが、敢えて言わせていただきます。「現役時代にこそ、引退後の生活を考えてください!そして、なるべくはやく準備を始めてください!」そして、そこをサポートするのもFPの重要な役割の一つであると思います。

 

 

 

 

2012年1月6日(金)
FP社会保険労務士事務所 柔コンサルティング
代表 平野 厚雄