【Q.03】万が一に備えて、生命保険・医療保険・損害保険等、何らかの民間生命保険に加入していますか? ・民間会社の保険については加入していると思いますが、よく分かりません…。しかし、社会保険料は払っています。

 

 長谷川選手は社会保険料(国民年金・国民健康保険)をしっかりと払っているということです。しかし、現在、プロ格闘家に限らず社会的に問題となっていることがあります。それが、社会保険料(特に国民年金)の保険料未納問題です。したがって、今回は国民年金について整理し、保険料の未納の怖さについて触れてみたいと思います。

 

年金全体像

 

 

 まず、日本の公的年金制度は、「国民皆年金」といわれるように、原則20歳以上になれば、何らかの年金制度に加入することになります。公的年金は強制加入であるということがポイントです。つまり、国民年金に加入するかどうか…ということを選択する余地はないということです。稀に「俺は国民年金に入っていないから、保険料も払っていない!」という方がいらっしゃいますが、正確にいうと「国民年金に加入しているけども、保険料を払っていない保険料未納者」ということになります。

 

 そして、原則、公的年金制度に加入すると毎月保険料を払うことになりますが、保険料未納問題が発生する人たちは、上記表の「第1号被保険者」とよばれる自営業者、学生、フリーター等の人々です。「第2号被保険者」については、事業主(会社)が労働者負担分・会社負担分をまとめて納付する義務があり、「第3号被保険者」については、そもそも保険料負担義務がありませんので、原則、保険料未納が起こることはありません。しかし、「第1号被保険者」は自分で納付する義務がありますので、経済的な事情、制度の認識不足・誤解等の理由で、どうしても未納が起きやすい仕組みになっているのです。

 

 

 ちなみに、前回、前々回の廣瀬選手や米澤選手は、勤め先の社会保険に加入している「第2号被保険者」でしたので保険料の未納問題は起こらないので心配はありません。しかし、多くのプロ格闘家はこの「第1号被保険者」に該当しているかと思います。長谷川選手も、現在の公的年金の被保険者の種類は「第1号被保険者」ということになります。

 

 

 

総合格闘家・長谷川秀彦選手(アカデミア・アーザ水道橋) ♯2

 国民年金第1号被保険者は、国民年金保険料として毎月¥14,980(平成24年度)を払う義務があります。しかし、不況による収入・売上減少、長い人生においては色々なことがあり、経済的に国民年金保険料を支払うことが困難になってしまう状況があるかと思います。

 

 そんな時に、ぜひ利用していただきたい制度が保険料の免除制度です。この制度を利用するには、原則、本人や世帯主が市区町村役場や年金事務所に申請・届出をすることになり、その申請が認められると、対象期間の国民年金保険料の支払いが免除されることになります。

 

 そして現在、保険料免除制度は以下の表の種類がありますが、生活保護を受けている人や障害年金を受給している人等、要件に当てはまれば法律上免除になる「法定全額免除(届出は必要)」を除いて、保険料免除制度が利用できるかどうかは、本人及びその世帯主又は配偶者の前年の所得状況が大きな要因となります。

 

 

保険料免除の所得要件

 

 「免除」と「未納」、どちらも保険料を払わないこと……ということでは同じなのですが、年金記録上「免除」と「滞納」のどちらになるかで、万が一の時に、取り返しのつかない事態になってしまう可能性があります。次回へつづく

 

 

 

 

2012年04月20日(金)
FP社会保険労務士事務所 柔コンサルティング
代表 平野 厚雄